インピーダンス計測方法の基本

基本的に電気化学測定は電流や電位を変調させて、電極反応を解析するものです。
例えばよく使われる測定方法をまとめると。
・クロノアンペロメトリー
電位を一定にして、電流を時系列プロット

・クロノポテンショメトリー
電流値を一定にして、電位を時系列プロット

サイクリックボルタンメトリー
電位を掃引してその時の電流値を計測。
掃引する速度で拡散や電子移動速度を調べることもできる。

ここで電気化学的な基本的な考えをまとめておきます。
・ファラデーの法則
電流と電気量の関係を示すもの。

・ネルンストの式
物質移動速度に対して電気移動速度が十分早い時、可逆的な反応とみなせる場合に成り立つ式。

・バトラーボルマーの式
電流と電位の関係を示すもの。
交換電流、対照因子、過電圧と電流値の関係を示す。

・フィックの法則第一法則
物質の拡散を示す式です。
物質移動のフラックスと拡散係数、濃度勾配の関係を示す式。

・フィックの第二法則
フィックの第一法則を応用したもので、時間濃度変化と空間的な濃度変化の関係を示す式です。これは主に拡散係数で決まります。

上述した測定法は物質の拡散と電子移動速度に関係するものであって、拡散と電子移動が競合するときにその二つを切り分けするのは難しくなります。
こういう時に役に立つのがインピーダンス測定方法です。
インピーダンス測定方法では主に、ある電位を中心に、小さい周波数の電位を流す方法です。
この時の周波数とインピーダンス(電位変位と電流変化の比)の関係を調べることで、電荷移動律速と拡散移動律速が混ざった混合律速での状態での解析が可能になります。
インピーダンス測定で難しいのは、そのモデルの組み立てです。
つまり、コンデンサや抵抗、インダクタンスなどを組み合わせた電子回路モデルを組み立て、その組み立てたモデルにフィッティングするのが基本的な流れとなります。

インピーダンス測定するうえで、その時適用条件は
○因果性
入力信号に対して、得られる結果が決まる。
そして、その後の結果に影響を与えない。

○線形性
入力信号と出力結果に線形性がある。
電位と電流の関係は指数関数的な関係が導かれることが、バトラーボルマーの式からわかるが。変化させる電位が十分に小さい場合には線形性が近似できると考えることができる。

○普遍性
電極の状態が時間に対して変化しないこと。 もちろん短い時間でほとんど変化しない場合は近似できる。例えば、腐食の反応とかはそれに該当させることができる場合もある。

測定のアドバイスとしては、高周波領域から後低周波領域の順番で測定することをおすすめします。なぜなら、低周波領域では測定時間が長く、一方で高周波領域では測定時間が短くなります。そのため、何らかのトラブルで実験を中止することを考えた場合には、計測時間が短くす高周波を始めに計測して、低周波をあとに回したほうがリスクが少ないからです。

参考図書
板垣 昌幸、電気化学インピーダンス法、第2版。 

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