電子の速さについて:単独の電子の速さと集団としての平均速度の違い

電気の流れについてはじめに習うのはオームの法則でしょう。
例えば、断面積が1 mm2、長さが1mの金属の室温での電気抵抗は1Ωになります。
この金属に1 Vの電圧をかけると、オームの法則から 1 Aの電流が流れることがわかる。

ここで金属の中の電子の数から電子が移動する速さを考えてみる。
一般的な金属の電子密度nは10^22 cm-3程度であるから、電子の平均的な速度vは5×10^-4 m/sとなります。この速度はとても遅く、1秒間でたったの0/5 mmしか電子は動かないことになります。
この電子の動く速度は遅く、意外に思う人も多いのではないでしょうか?

ここで、平均的と表現したのには訳があります。
なぜなら、電子一つ一つは10^5 m/sという凄まじい速度で動いるからです。

金属中を駆け回る平均的な電子移動速度と電子一つ一つの速度の大きな違いはどこから生まれてくるのでしょうか。この答えは原子の熱振動や結晶中の不純物にあります。
つまり、金属中を流れる電子は熱振動や不純物により散乱されながら電子が移動するために、平均的な移動速度は遅くなるのです。一つ一つの電子の動きはとても早くなるのですが、結晶中の電子移動は散乱によりランダムな動きとなりとても遅くなるのです。

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