線虫を使った匂いセンサ:尿一滴からガンの診断が可能になる

最近、線虫を使ったガン診断の話が注目を集めており、テレビなどの多くのメディアで放送されている。
その会社名はHIROTSU BIO SCIENCE
東大の元助教授が立ち上げた会社だそうだ。
線虫を使い、1滴の尿から90%の精度でガンであるかを診断できるようだ。
この診断技術のすごい点は、価格が安いことであり、比較的短時間で診断結果が出る言うことである。
技術的にいうと、質量分析などの高価な装置を使えば匂いで診断することができるのだが、患者一人あたりに一万円以下で検査をすることはできなかった。
さらに、この線虫を使った診断のすごいところはガンの初期段階の患者も見つけることができること。
この診断技術は一時スクリーニングとして利用することができ、もし線虫診断で陽性となった場合には精密検査を受け、どこにガンがあるかを調べることができる(Plos one, 2015)。

日本での死亡原因の第1位はガンである。
寿命を延ばし、生活の質を上げ、そして、莫大な医療費を減らすためには初期段階のガンを診断することがとても重要であり、今回の安価で高い精度を持つガン診断技術はがん治療に一石を投じる成果だと思う。

線虫は目がなく、鼻で外界の情報を取り入れていると言われている。
そのため、匂いセンサとなる嗅覚受容体は1200種類あると言われている。一方で匂いセンサの代表動物としてイメージをもつ犬は800種類、人は約400種類の嗅覚受容体がある。つまり、人より3倍も多くの種類の嗅覚受容体を持っているのだ。

現段階ではどこのガンであるかを認識するのは難しそうであるが、線虫の遺伝子改変で嗅覚受容体の発現状態を制御すれば、ある特定のバイオマーカーとなる匂いに応答できるようになるだろう。

早速Youtubeでこの線虫を使ったガン診断に関する話があるので載せておく。

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