初めての授業で微生物の代謝の制御とその応用について話した

ボスから連絡があり、東大の生体機械システムの授業を1回うけもつ機会を頂いた。これが僕の初めての大学授業体験となる。ボスから下されたお題はバクテリアと機械の応用に関してです。そして、100分の授業に対しておよそ20分ほど実験をしないとだめみたい。学生はおよそ50人ぐらい。

僕が初めての授業で取り上げたのは博士課程でやっていた微生物の代謝に関してです。情報系の学生だからできるだけ基本的な内容を取り上げました。
生き物のエネルギー獲得過程は電池などと同じで、ロボット、機械に通じているということが僕の伝えたかったことです。

話の導入で微生物は私達の周りにたくさんいて、感染など悪い影響与えたりもしますが、逆に、消化を助けたりお酒づくりに活躍したりといいこともたくさんしてくれます。つまり、悪い微生物もいたり、いい微生物もいます。そして、それらの微生物の違いは代謝に関わってきます。

なんかスライド作っていて、とても懐かしくなってきました。
ここでいいたいのは代謝は同化と異化に分類されるということ。
異化はエネルギーを作るために、そして、同化は大きい分子を作っていく過程です。
エネルギーの獲得過程には電子伝達が関わっていており、エネルギー(ATP)の90%以上は膜にある電子伝達系で作られると言われています。
電子伝達系はある意味、水車みたいなもので電子が移動する時にプロトンを汲み上げて、最後にポンプが動いてATPを作ると言われています(化学浸透共役説、ピーター・ミチェルがノーベル賞)。下の動画をみてくれると直感的にわかりやすいかも。英語だけど、、、

微生物はとても多くの種類がいて、多種多様な代謝があるのです。顕微鏡で見るだけではただの米粒みたいに見えるけど色々と違うんです。
一つの微生物にとっても外の環境によって代謝を切り替えることができて、その環境に適応できたりするんですね。
直感的にわかる例としてシュワネラ(Shewanella)が酸素呼吸から電気呼吸へ代謝を切り替える動画を見せました。

この動画ではシュワネラは、はじめ酸素呼吸をしているんですが、酸素を取り除くと代謝が電気呼吸になるためにタンパク質を合成して、導電性のナノワイヤーを作り出すんです。細胞の色が変わっているのはレドックスセンサーが働いて、タンパク質が合成されるとわかるようにしています。野生のシュワネラ自体は蛍光を出さないので、特殊な操作を施しています。
詳しく知りたい方は下記の論文をみてください。
Sahand Pirdabianet al PNAS, 2014.
https://www.pnas.org/content/111/35/12883

このシュワネラという菌は面白くて、電子伝達系で使い果たした電子を外部に吐き出す事ができるんです。これを利用して微生物燃料電池を作ったりする研究もあります。
微生物燃料電池は製品として売られています。この製品を使って夏休みの自由研究につかうといいかもしれません。

アマゾン

僕はボスから少し実験するように言われていたので、微生物燃料電池を組み立て、発生する起電力を計測する実験を行いました。
個人的にはもう少し作り込んでおいたほうが良かったと反省しています。
まとめのページがこちら

授業の終わりで、およそ10分ほど余らせて終わりました。10分間の質問タイムが始まりました。恥ずかしがりやの日本人は誰も質問しないと思っていたけど、最近は質疑応答のやり方がハイテクでびっくりしました。

このハイテクシステムは、ネット経由で質問を匿名で行うというもの。
最近の授業は進んでいるなー。
匿名となると日本人でも質問がしやすいのか、たくさん質問を頂きました。
質問が飛んでくるのはいいことだけど、東大生は地頭がいいから面白い質問をぶつけてきます。思ってた以上に、授業の内容をよく理解してくれていたみたいで良かったな。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中