ナノポアを利用した篩(ふるい)

ナノポアとはその名の通り、ナノサイズの穴(ポア:Pore)です。
ナノというサイズはどれほどの大きさかご存知でしょうか。
1 mmの1,000,000分の1です。
もちろん、肉眼で見ることはできません。
サイズ感を理解してもらうために、地球と人間の大きさに例えてみましょう。
地球のサイズを1 mmとすると、1 nmはおよそ人のサイズに相当します。

ナノメートルがいかに小さな単位かわかりましたか?
また、ナノポアのポアとは穴を意味します。
みなさんはこのナノポアをどのように利用しますか?
質問を変えて、私達の身の回りに、小さい穴を利用したものはないでしょうか?
その答えは篩(ふるい)です。

篩による大きさの選別

篩は網目のような穴があり、大きな粒子と小さな粒子を分けるために使いますよね。
網目のサイズを変えることで、大きいものと小さいものを選別できます。この篩は私達の目に見える大きさだけでなく、ナノサイズという私達の目では見えないサイズ感でも使うこともできるのです。ナノポアは篩の網目部位として使う事ができて、これによりDNAなどの分子を判別することができます。

■ナノポアの検出原理と実験セットアップ

実験の概略図

検出方法はコールター・カウンターの計測方法と同じです。コールター・カウンターは電極の間に小さい穴(篩)を設置して、電極間に電位を印加させます。そうすることで水の中に含まれているイオンが電位勾配に応じて動き、イオン電流として電気が流れます。篩で大きな粒子が詰まるときにイオンの流れが邪魔されて、電流値が減少します。この電流減少は大まかにいうと詰まる粒子のサイズに依存して、小さい粒子では小さな電流減少を引き起こし、一方で大きな粒子では大きな電流減少が見られます。コールター・カウンターでは細胞や微生物、ウイルスなどのサイズ感で利用されていました。
ナノポアはコルター・カウンターより小さい篩を用いますので、DNAなどの分子の判別ができます。ナノポアの種類は大まかに言うと生物的なポアと非生物的なポアに大別できます。生物的なポアは主にへモリシンなどの溶血毒を利用し、人工細胞膜にナノサイズの穴を導入します。生物的なポアの特徴として言われているのは比較的簡単にナノポアを作れることです。生物的なナノポアの問題は脂質二重膜という極めて小さい膜を使うため割れやすく、安定性に欠けることです。
一方、非生物的なナノポアは微細加工技術を使い、SiNなどの材料にナノサイズの穴を開けて作ります。この方法では費用がかかり、簡易的に大量のナノポアを作ることが難しいかもしれません。非生物的なナノポアは、生物的なナノポアより安定性に優れていると言われています。ガチガチの硬いSiNはなかなか壊れないからです。

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